和琴半島自然散策路

和琴半島のある屈斜路湖は活発な火山活動によってできたカルデラで、和琴半島の原型となるオヤコツ溶岩円頂丘という溶岩ドームができた後、長い時を経て湖岸の扇状地とつながった。半島には一周約2.5㎞の自然探勝路が整備されており、家族連れでも1時間程度で周回できる。火山活動の名残で地熱が高く、土壌も豊かなために花の種類が多い。 春には春を告げる花・フクジュソウが顔を出し、湿地帯ではミズバショウが多く自生している。夏にはクルマユリやオオウバユリ、秋は紅葉の他ににエゾトリカブトが散策路を彩る。その他にもヒトリシズカやフデリンドウ、エゾエンゴサク、ミヤマエンレイソウ、クルマバツクバネソウ、ネコノメソウなど色とりどりの花が咲き誇る。和琴半島は野鳥の楽園でもあり、バードウォッチングにもってこい。シジュウカラ、ヤマガラ、ハシブトガラ、アカゲラが見られる他、運が良ければクマゲラやヤマゲラも見られる。また、地熱が高い土地柄、オヤコツ地獄付近では、冬にもかかわらずコオロギの仲間のマダラスズの鳴き声を聞くことができる。 散策路の中間地点、半島の先に当たる部分は「オヤコツ地獄」と呼ばれている。これは、屈斜路カルデラの中から噴出した溶岩円頂丘で、展望台から湖岸を見下ろすと、もくもくと噴煙が上がり、草木が生えていない様子はまさしく地獄の名前にふさわしい。散策路の植物や地質に目を向けながらのんびりと歩くと、1周1時間以上時間がかかるほど、見どころを多く擁する散策路だ。